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メモ帳

氷菓 #視聴感想文

読書感想文ではなく視聴感想文を書きたいと常々思っていたので, 感想を述べる. もちろんだが, 全て通して「ネタバレ」だ. 氷菓を見た後にこの駄文に目を通していただければ幸い.

小説っぽさ

氷菓のざっくりとした構成は,1話でサクッと終わる話もあれば, 3〜5話くらいの長丁場で,巨大な謎を追っていくというものもある.

まさにこれは小説だ. 小さな謎をクッションに大きな謎に入っていき,解決したところで,1冊が終了. 1冊で6話前後だろうか.

そして,氷菓が良いところは,その「小説っぽさ」であると感じた.

氷菓は,アニメを見ているのにもかかわらず,「本に没入していくような感覚」に陥るのだ. 美しく,チープさが無く,気品ある,まさに文学だ.

折木が,確実に存在する証拠を頼りに, 推理,考察し, 実に論理的に謎を解いていく形は, 数学における証明を見ているかのような美しさがある. また,氷菓を「I scream」とする部分や, ABC殺人事件を元として,欠けた部分の「クドリャフカの順番」を答えとする といった謎の答えは,実にオシャレで,小説的だ.

アニメでこれを表現できるという点は, 超原作尊重主義の京アニのパワーなのだろうか,と,感動を覚える.

成長

氷菓は,謎をといて「はいこれの答えはAでした」で終わる, ただの謎解きモノでは無いのだ.

折木奉太郎は,謎を通して「成長」という変化をするのだ.

千反田えるは,奉太郎によって, 自分の興味や好奇心が満たされていくことで, 奉太郎を頼るようになり, 役割として「謎の配達者」を担っている. それにより,奉太郎は, 謎を解くこと, 謎の答えの先にあったものについて考えることによって, 自分について再考する. 奉太郎は,今まで省エネ主義といって, 見えていなかった自分について気づくことができ, それによって変わったのだ. 自分で図書館に行くようにもなったし, えるに対しても特別な感情を抱いている.

これは奉太郎の「成長」だ.

また,福部里志も成長をしている.

里志は推理が好きであった. しかし, 圧倒的天才である奉太郎の前で, 自分の凡人さを知る. 印象的であったのは,文化祭のときだ. 凡人が凡人を認めることは,とてもつらく痛みを伴う. 自分を凡人としなければ, 奉太郎に対して「嫉妬」をし続け, そして,「劣等感」を持ち続けることになる. 中学からの親友だからこそ,それはツラく,苦しいだろう.

そのため里志は,自分を見つめ直し,変わろうとしている. 変化をし,成長しようとしている.

謎を解く,ということを通し, 成長を,変化をしているのだ.

高校生らしさ

これはアニメの演出の話になるのだろうか. 少々本質から外れるが, 全体を通して, やり取りがリアルな高校生のようで, とても良かったのだ.

本音と建前を使い分けたり, 周りのメンツを気にしたり, 面倒ごとはキッチリ避けるが, 断れないこともあったりする,のような, リアルな社会での立ち回りの描写が多々見られた.

その細かなやり取りは, 小学生でも,中学生でも, 大学,社会人でもなく, まさに「高校生らしい」やり取りであった.

ボロが見え隠れする完全でないやり取りや, 所々に感情を入れてしまうところなど, まさに,だ.

細かい点だが,この細かさが, ファンタジー感を拭えていて, とてもリアルで良い.

気になった部分

後半になるについれてラブコメ部分が増えていき, ミステリーがオマケになっていくのを感じた. どうしてもこうなっていくことは仕方のないことなのだろうが, 軸がラブコメにならないことを祈るばかりだ.

加えて最終話. 最終回を見て,釈然としない自分がいるので, 2期でしっかり終わらせて頂きたい, と思うのだか, 原作である小説がまだ完結しておらず, また,ストックも無いようだ.

米澤穂信先生にファンレターでも送ればよいのだろうか.

まとめ

氷菓は良い作品だった.

全体で22話であったが, 謎に対する美しい解と,その後のキャラの成長を見れる点で良く, 視聴中は時間を感じること無く作品を見れた.

「自分で自分について認めることは難しいが,認めた先には成長が待っている. 自分に対して正直になり,素直になることが大事だ」 ということを本作品を視聴して感じた.

読者各位はどのように感じただろうか. 少なくとも共通の認識として 「えるたそかわいい」とは思っていることだろう.

氷菓の2期が来ることを祈りつつ, 本記事をこれで終える.